• Nie Znaleziono Wyników

Housing guideline for architects: Campaign by the Flemish environmental agency

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

Share "Housing guideline for architects: Campaign by the Flemish environmental agency"

Copied!
3
0
0

Pełen tekst

(1)

  2010 年、ベルギーのフランダース地域の環 境庁 VMM iは、建築家に向けて住宅の「新築・ 改築のための水(利用)ガイドライン」(Water Guide for Building and Renovation)iiの普及に乗り出 した。建築協会ほか関連分野と協力し、環境面 と安全面の双方の改善を目指している。  ベルギーの連邦構成主体である 3 つの地域の うち、北半分のフランダース地域は、ベルギー 全 体 の 人 口 の 6 割(620 万 人 )、 国 土 の 4 割 (13,000km2)を占め、人口密度約 462 人/km2 高密な地域を形成している。近年豪雨による水 害が多発、 2010 年 11 月には住宅への浸水被害 だけでなく死者を出す深刻な事態が起きている。 また河川の下流に位置することもあり、表流水 の水質も問題となっている。なお降水量は、約 750 mm/ 年、高地では約 1400 mm/ 年に達する。 1.普及のためのキャンペーン  フランダース地域の環境に関する許可法iiiの施 行規則 VLAREM II ivには、家庭からの汚水と雨水 の排水に関する義務および指導事項が含まれてい る。にもかかわらず、適応が進んでこなかった理 由として、内容が不明瞭で、実際のプロジェクトで 建築家・施工者がどのように適応して良いか分か らない、ということが挙げられた。そこで、2000 年に建築家ためのガイドラインvが発行されたが 進捗がなく、VMM は建築家協会 NAV vi と協力し、 再度ガイドラインの作成と普及のキャンペーンを行 うこととなった。  VMMがイニシアティブをとり、殆どの出資を行っ ている。ガイドラインの第一の頒布対象は建築家 であり、加えて施工・造園関連、自治体なども対 象としている。それにより、協力主体として、先に 挙げた建築家協会のほか、フランダースの下水道 設備の協会(VLARIO および INFRAX)、認証や検 査を行う組織 CERTIPRO、そして建設や環境に関 する許可業務をおこなう自治体にも積極的に協力 を求めた。  普及のための媒体として、A5 大の約 85 ペー ジの冊子を、約 15,000 ユーロをかけて作成・印 刷(2 万部)し、ほぼ同様の内容をウェブサイ トviiで公開している。加えて案内カード(図 –1)も用意された。冊子の主な内容は、2000 年版とかなり重複しているが、新しい 2010 年 図‒1 VMMによる 案内カード 配布:Vlaamse Milieumaatschappij 水循環 貯留と浸透 2012 vol.86 0 -笠 真希 Maki RYU  デルフト工科大学 客員研究員 Delft University of Technology 梵まちつくり研究所 取締役

建築家向け住宅のためのガイドライン フランダース地域環境庁 VMM のキャンペーン

循環レポート

report

(2)

版のほうが、冊子として構成やレイアウトが読 みやすいという違いがある。(更に 2012 年には 法制度の改正を受けて一部改編した第二版を発 行している。)2010 年の頒布時、2000 年版の反 省をうけてか、VMM は以下のような普及の手 段をとった。まず自治体経由のルートとして、 自治体のサイトで告知、そこから VMM のガイ ドラインのサイトへのリンクを設ける。更に VMM が自治体に既に印刷された案内カードを 配り、一般的な頒布に加え建設許可の手続きに あわせて配布を行った。また、州毎に建築家を 対象とした講習会を行い、下水関係のイベント で冊子を紹介し、加えて建築の学生に下水管理 のレクチャーを年に一度行っているそうである。  最初の 1ヶ月の成果として、7 千冊の冊子が 配布され、講習会は速やかに予約で埋まり、約 8000 人いる建築家の 12.5 %は講習を受け、さ らに講習が企画されているとしている。この初 期の成果により、ヨーロッパの環境ネットワー クであるグリーンスパイダーネットワークの 2010 年のベストプラクティス・コンペティション にリストアップされたviii 2.ガイドラインの構成  冊子は、ウェブサイトとほぼ同様に、以下の ような構成を持っている。第 1 章で「はじめに」 として、建築家向けの普及などの目的や意義と しての持続可能な水利用を述べている。第 2 章 では「政策的枠組み」として、関連する政策や 法制度を簡潔に説明している。第 3 章は「環境 と調和した建設」として、建設活動の生態的・ 経済的影響への責任として、水害防止や地下水 位への配慮などを述べている。その後の章は、 雨水・汚水・飲用水に分け、それぞれの意義と 実際的な適応に関する解説を盛り込んでいる。 以下に雨水に関わる部分のみ、更に詳しく見て いくこととする。   2 章の政策・法制度では、まず EU の水政策 枠組み指令、フランダース地域の統合水政策法ix 次に、前ページ記載の VLAREM II の条項 6.2.2.1.2 § 3 に基づき雨水と汚水の分離が規定され、§4 において住宅は以下の順序で雨水排水に対応し なければならないとしている。①雨水の集水と 活用、②敷地内における浸透、③排水を遅らせ るバッファー(流出抑制)、④道路の雨水管へ の排水であり、特に最初の 3 つの技術が適応で きない場合のみ、④の公共の排水網への流出が 許されている。また、フランダース地域の都市 計画規則x 8 条に、雨水に関するシステムの最 低基準が記載され、そして、統合水政策法に 従って、建設許可・環境許可に際して「ウォー ターテスト」によるチェックが必要であること を説明している。   4 章は雨水に関する解説であり、前半で家庭 からの汚水と雨水の分離、さらに雨水活用・浸 透・流出抑制の意義を説明し、後半でこの優先 順位の順に解説がある。個別技術の部分では、 まず利点や適応条件が示され、次に設計のため にシステムの種類や部位毎の解説があり、最後 に計算例を掲載する構成となっている。 3.雨水活用システムに関する記述   4 章の後半での雨水貯留、浸透、流出抑制施 設に関しての記述を以下に整理する。 1)雨水貯留  都市計画規則は、敷地面積 300m2以上・屋根 図‒2 ガイドラインでの雨水活用システムの説明図  ① 沈殿装置②雨水タンク+オーバーフロー③浸透施設  出典:Waterwegwijzer Bouwen en Verbouwen

0

-水循環 貯留と浸透 2012 vol.86

(3)

面積 75m2以上の新築・改築、または屋根面積 50m2以上の増築で雨水タンクの設置を義務づ けている。室内において利用する雨水は屋根か らの流出に限り、車のアプローチや他からの排 水はタンクに流さず浸透・流出抑制施設へ排水 することを推奨している。個別部位の解説とし ては、フィルター・タンク・オーバーフロー・ ポンプ・乾期の(水道水)補給などに分けられ、 最後に屋根面積に対するタンク容量の計算方法 が挙げられている。 2)浸透施設  まず浸透施設が適応可能かの検討が必要だが、 そのために必要な地下水位・土壌の情報サイト が 2010 年版には掲載されていたが、2012 年版 では削除され、前述のウォーターテストのサイ トが参照先となった。地下水保護のための浸透 禁止区域の情報サイトは掲載されている。次に、 浸透エリアの種類として、窪地・透水性および 浸透性舗装・地下浸透施設が紹介され、それぞ れの特徴と適応の注意点、最後に許容浸透量の 計算方法が載せられている。 3)流出抑制施設  浸透施設が適応できない場合の手段として、 流出抑制施設を紹介している。また、都市計画 規則では 1000m2以上の新規舗装化に関しては、 流出抑制機能を備えることとし、計算方法も都 市計画規則を参照することとしている。 4)屋上緑化  屋上緑化の意義と、2 つのタイプの屋上庭園 と緑化屋根の特徴・注意点を解説している。更 に、計算方法を示すとともに、長期の降雨に備 えて屋上からの排水は浸透および流出抑制施設 に流すよう推奨している。 4.まとめ  第一に、このガイドラインの特徴として、環 境庁発意ではあるものの、そこを拠点として、 建築・下水分野との協力を広げたことが挙げら れる。環境庁としては表流水と地下水の水質が 関心事であり、その原因の一部は合流式下水に よるオーバーフローにあることで、宅地からの 雨水流出は水質管理に関連する。同時に流出は 洪水の要因でもあり、環境面から考える住宅の 水管理が、安全面にも広がってくる。本稿では 割愛したが下水処理に関しても多くの情報が掲 載され、環境面の改善を視野に、排水経路を司 る下水関連分野との協働だけでなく、流出源で あり、かつ雨水の流出抑制が可能な建築分野と 共に取り組む必要にいたったと考えられる。  第二に、2000 年版のガイドラインが普及し なかったことを鑑み、上記の協力体制を進める と共に、冊子の作成だけでなく積極的な頒布活 動を展開したことが特筆される。建築家の講習 会などで実質的な周知に努めるだけでなく、自 治体の窓口を最大限効果的に使うための工夫を 行っている。特に印刷費用は VMM が負担し、 配布だけを他の機関に依頼したことが円滑に進 んだポイントであると捉えられている。  最後に、媒体の総合的な企画も重要である。 冊子は 2000 年版に比べて読みやすさや魅力が 向上している。加えて冊子・案内カード・ウェ ブサイトの役割分担もなされており、情報の アップデートに関しては、例えば講習会におい て建築側からでたフィードバックはサイトにて 随時反映し、加えて 2012 年版の冊子からは一 部の数値が削除され、将来変化するものはイン ターネットでの対応を基本としているようである。  ここから学べることは、ただ冊子を作るだけ では普及の効果が限られ、本格的な普及のため には環境・建設・下水分野の協働はもちろん、 情報伝達の仕組みや媒体の視覚デザインなど、 広い視野で戦略を立てることが重要だというこ とであろう。 i Vlaamse Milieumaatschappij

ii Waterwegwijzer Bouwen en Verbouwen, VMM iii Vlaamse milieuvergunning decreet

iv Vlaams Reglement betreffende de Milieuvergunning

v Waterwegwijzer voor architecten - een handleiding voor duurzaam watergebruik om particuliere woning

vi NAV - Vlaamse Architectenorganisatie www.nav.be vii www.vmm.be/water/waterwegwijzerbouwen

viii http://ec.europa.eu/environment/networks/greenspider/bp_ comp-2010.html

ix Het decreet integraal waterbeleid, artikel 8 x Gewestelijke Stedenbouwkundige Verordening

水循環 貯留と浸透 2012 vol.86

水循環レポート

0

Cytaty

Powiązane dokumenty

巻三は先にあげた( 5 )三条邸の地券争いから話が始まります。中納言は女

平野啓一郎先生インタビュー 81

Autor analizuje również dynamikę dyskursu, badając czy dany fakt zajmuje centralne miejsce w dys- kursie czy raczej peryferyjne oraz funkcje dyskursu, zarówno elitarnego jak

New erly opisując dzieciństwo Szczęsnego, często posługuje się stylem , który przy b liż­ szym poznaniu okazałby się niew ątpliw ie charakterystycz­ nym stylem

。- ホームレスの男がいなくても 魂は神の元に戻ったが 肉体は我々と一緒にいた この言葉を 忘れないでくれ ボブ-

Pierwszy raz znajdujemy ten rodzaj wymowy w na­ uczaniu sofistów i Sokratesa, w postaci, jaka jawi się w dialogach Platona (dialog Euthydem). Nawet słowo

(図版 12)ステファヌ・マラルメ『賽 の一振り 断じてそれが廃滅せしめ ぬ偶然』 (2005)。原著 Un coup de dés jamais n'abolira le hasard (1897, 1914).. 8

(4) Where the law of a consumer’s habitual residence is chosen under Article 7 with regard to the formation of a Consumer Contract, if the consumer